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2011年03月31日

   「東電情報隠し」の裏で進行する放射能汚染 〜その9〜

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「隠し砦の三悪人」とでも呼びたくなるスリーショットだ。3人とも上手にウソをつく。左から藤本副社長、勝俣会長、武藤副社長。(30日午後、東京電力本店。写真:筆者撮影)


  原子力担当の武藤栄副社長の記者会見は23日から社名と氏名を名乗らなければならないようになった。途端に民放の記者たちは、おとなしくなった。借りてきた猫のようである。たまに質問しても東電側が泣いて喜ぶような「ヨイショ質問」ばかりだ。

 大広告主である東京電力の機嫌を損ねるような質問はできない。誰でも想像はつく。ところが常人の考えが及ばない想定外の理由が他にあった。東電によるマスコミOBの接待旅行である。

 “地震発生時、勝俣会長はマスコミ幹部を連れて中国旅行に出かけていた。” 衆院議員の田中康夫氏が『サンデー毎日』誌上で明らかにしている。

 筆者は「旅費は東電が持ったのではないだろうか」と直感的に思った。経済部系の記者に対する企業のもてなしは並々ならぬものがある。飲み食いばかりではない。景気のいい頃にはワイシャツの仕立て券はじめ数々のギフトが届いた。

 政治部記者が有力政治家から海外旅行に連れて行ってもらうのも同様だ。記者クラブメディアの記者は「たかり根性」が当たり前のものとして沁み付いているのである。

 30日、東京電力本店で開かれた記者会見で筆者は勝俣会長に質問した。「マスコミ幹部を連れた中国旅行(の旅費)は東電持ちだったのか?」と。

 「全額、東電で持ったということではないが、私どもが多めに出した。(連れて行ったのは)幹部ではなくOB」、勝俣会長は意外にあっさりと認めた。筆者は質問を続けた。以下、勝俣氏とのやりとりだ。

 「では社名を明らかにして下さい」
  
 「プライベートに関わることなので明らかにすることはできない」
「マスコミはプライベートではない。公共施設の中にある広い記者室にタダで入居してるんですから」

 「2〜3日中に相手(マスコミOB)と話し合って…」

 「話し合って隠ぺいしようと言うんですか」。「そういう接待旅行があるからテレビは『原発はクリーンでエコなエネルギーです』などと国民の頭に刷り込んできたんですよ」

 ネット映像をご覧になった方はお分かり頂けただろうが、勝俣会長は気の毒なほど慌てていた。

 地震で成田空港が一時使えなくなったため、添乗員が「関空になら帰れる」と進言したのだが、勝俣氏が拒否したという噂もある。いずれにしろ、陣頭指揮をとらなくてはならない会長がすぐに帰国しなかったことは事実のようだ。

 東電の隠ぺい体質をめぐっては、2002年に米技術者の告発によって事故隠しが発覚し、国際社会の批判を浴びた。にもかかわらず06年、07年に柏崎原発と福島第2原発で連続して事故が起きていながら公表しなかった。

 いずれの事故も記録が改ざんされていたことが明らかになっている。改ざん工作の中心にいたのが勝俣氏だったとも言われている。

 情報が広く公平に開示されていれば、問題点は指摘され改善されたはずだ。一連の情報隠しが今回の大事故に結びついたとも言える。

 「情報を隠すということは全くありません」(勝俣氏)というなら、中国旅行に接待したマスコミOBの社名くらいは公表すべきだ。

 マスコミとの関係を可視化しない限り、国民は「原発安全神話」に洗脳され続ける。東電の隠ぺいは改善されず、再び原発大事故を起こすだろう。



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posted by 田中龍作 at 14:17| Comment(11) | TrackBack(1) | 災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

   「東電情報隠し」の裏で進行する放射能汚染 〜その8〜

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“何となく上から目線の勝俣会長”。値上げさえ示唆する厚かましさだった。(30日午後、東京電力本店。写真:筆者撮影)


 国民生活を大混乱に陥れる未曾有の原発事故を引き起こしながら20日目にして初めて公の場に姿を現した男は、何ひとつ悪びれるところはなかった。

 東京電力の勝俣恒久会長が30日、東京電力本店で記者会見を開いた。電力行政を壟断してきたとも言われる勝俣会長は、国任せで難局を乗り切る姿勢を示した。

 計画停電により利用者に不便を強いていながら「値上げしないと確約するのはなかなか難しい」などとして電力料金の値上げを示唆した。

 さらに呆れたのは補償についての見解だ。フリーランスの村上格保記者から「東電を潰してでも補償するつもりはあるか?」と聞かれたのに対して勝俣会長は「原子力損害賠償法の枠組みで考えてゆきたい」と答えたのである。

 同法3条に定める免責条項の適用を求める腹積もりとしかとれない。被害は広範、多岐に及んでおり、被害金額は天文学的な数字となるものとみられる。まともに賠償したら東京電力の資産をすべて売り払っても及ばない。

 そこで「大がかりな天災地変があれば責任を免れることができる」とする原子力損害賠償法(原子力損害の賠償に関する法律)を持ち出したのである。

 実際、「純粋な民間企業として生き残ってゆけるのか?」との記者団の問いに勝俣会長は「民営でありたい」と答えている。

 枝野官房長官は25日、「安易な免責は認めない」との見解を示している。それを承知のうえでの勝俣会長の発言である。電力行政を恣(ほしいまま)に動かしてきた人物は、政府も同様に動かせるとタカをくくっているのだろうか。
   
 東電トップを厚顔無恥にさせたのはマスコミだったことが今回の事故で計らずも露呈することになった・・・     

                           (つづく)

   
posted by 田中龍作 at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月30日

【第一報】マスコミOBの中国旅行は東電持ちだった

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記者会見する勝俣会長。筆者の質問に「マスコミOBを連れての中国旅行は旅費の大部分を東電が持った」と答えた。(30日午後、東京電力本店。写真:筆者撮影)


 福島原発事故発生時、「東京電力の勝俣恒久会長が大手マスコミ幹部を引き連れて中国旅行に行っていた」と一部週刊誌が報道している問題で、勝俣会長は30日、「マスコミOBの旅費は東電が大部分を持った」と明かした。

 東京電力本店で開かれた記者会見で勝俣会長が筆者の質問に答えたもの。マスコミと東電との癒着ぶりを最高幹部が認めたことになる。
    
posted by 田中龍作 at 18:39| Comment(6) | TrackBack(0) | ジャーナリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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