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2009年06月23日

コンビニ弁当廃棄と10億人の飢餓

 賞味期限の近づいたオニギリや弁当を値引きしないようフランチャイズ店に強制していたセブンイレブン・ジャパンに対して公正取引委員会は22日、「優越的な地位を利用した強制は止めなさい」と命令した。

 拙宅近くのコンビニ店で店員さんがオニギリ、弁当、焼きそばなどを次々とカゴに入れていく光景をしばしば見かける。コンビニ業界で言う廃棄(ロス)である。廃棄した食品の仕入れ代金、(売れたと仮定した場合の)本部への上納金(チャージ)まで、すべてフランチィズ経営者が損失を被るのである。まさに踏んだり蹴ったりだ。

 セブンイレブン側は「鮮度を大事にするため…」などと説明しているが、子供だましの詭弁だ。フランチャイズの安値販売は、あくまでも賞味期限内である。

 セブンイレブンが恐れているのは値崩れだ。フランチィズ店の安値販売で値引き競争になれば、フランチィズからの上納金にあたる「チャージ」が大きく減る。この構造はセブンイレブンに限らず大手コンビニチェーン共通である。どの社も廃棄をフランチャイズ店に強制している。

 コンビニ本部は自らのビジネスモデルを固守せんがために年間17万トン(コンビニ主要10社=朝日新聞記事より)もの食品を廃棄させているのである。

写真

 世界の食糧援助は年間330万トン(WFP=世界食糧機構まとめ)。日本のコンビニだけで世界の食糧援助の5パーセントを無駄にしている計算になる。

 公正取引委員会の命令が出る3日前、国連食糧農業機関(FAO)は「10億人余りが飢餓に瀕している」とする報告書を発表した。世界規模の経済危機で昨年より1億人増加した、という。地域別ではアジア太平洋が最も多く6億4千万人。2位がアフリカ(サハラ以南)=2億6,500万人、3位がラテン・カリブ諸国=5,300万人、4位が中東・北アフリカ=4,200万人などとなっている。

 ちなみにコンビニの廃棄分は5千万人分の食糧援助を賄う。ラテン・カリブ諸国の飢餓を救えるのである。

 コンビニばかりではない。ホテル、ファミレス、ファーストフード店の食品廃棄も夥しい。日本は年間1940万トンもの食糧を廃棄している。世界の食糧援助の6倍近い。飢餓にあえぐ世界の民を6年間も救える量だ。食糧自給率は先進主要国最下位にしてこの壮大な無駄。罪深さを改めて思い知らねばならない。
 
posted by 田中龍作 at 16:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 食糧問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
言ってることはわかるが、大量の廃棄を出して
安売りも給付もしてないのは他の外食産業でも同様だ。

例えば数多いファミレス、ファーストフード店、飲食屋で食料をどう処分しているのかバイトをしていればよくわかるはず。
Posted by 徳永基二 at 2009年10月12日 11:47
田中様

コンビニ弁当で戯言を一筆啓上いたします。
「値引き販売」が社会問題となりました。参院姫井議員が調査しています。
補助金で売れの頃弁当の堆肥化施設を建設し、1〜2年で操業停止。
壮大な税金の無駄遣いが横行しています。藤沢市でも類似の事例があったようです。
この堆肥化装置の操業停止は、「堆肥は役に立たない」という背景があるように思います。それを知った民間経営者が、瞬間的に撤退を決断したのでしょう。
行き場を失ったのがコンビニ弁当の売れ残りです。本来なら、堆肥になって、有機野菜になって、弁当に戻ってくるはずのものだったからです。
有機野菜、認証制度、堆肥、堆肥化施設の補助金、家畜排せつ物法(排泄物は堆肥とする?)、・・・世の中の風潮は「堆肥推進論」です。
それに浮かされて行動してしまったのが堆肥化施設と企業経営者。
認証野菜には、検定員、ラベル販売・・いろいろな所作が伴います。
しかし、栽培技術としては、堆肥は間違いだった・・ということかもしれません。

因みに、搾乳牛1頭の1日の糞尿(糞40kg、尿20s)でいえば、含まれているNPKの肥料成分代金は220円。これをメタン発酵して、燃料にすると390円。それを発電すると理論的には800円。ただし、この3者、実勢は全部マイナス。設備のお金で左前のようでリサイクルの厳しさがあるようです。堆肥・ガス・発電は、無処理放流に適わないようです。

【以下のことが本旨】
<農業は間違っていた!小沢さんの真意>
「岩手のリンゴが海外へ」「食の安寧がないから争いになる。武器を持って海外へ行くのではなく、鋤きと鍬で、食の安寧を・・」小沢さんの考えには、世界の指導者にもない歴史観があります。ピークオイルを迎えて、文明の転換点にあるものとしての自覚があるようです。

農業は、有史以来、とんでもない間違いをしているようです。
結論を言えば、NPKの化学肥料を中心にした近代農業は、間もなく、C+NPKと新しく炭素が加わるでしょう。そして、NPKは従来の肥料産業が供給します。変わりはありません。しかし、炭素Cは、NPKの約3〜10倍の金額で、しかも、その生産は地場です。即ち、地場にNPKの3〜10倍の産業が出現することになります。地場の農業の為です。
そして、その新しい原料は家畜糞尿や生ごみ、食品残渣と生石灰です。堆肥と同じ、と思うのは早計。前記、有機廃物に生石灰を混ぜて瞬間的に殺菌分解すると、その分解された断片は、作物が吸収できる有機物となります。
光合成を経ない炭素の獲得経路です。これを耕地に撒くと、普通の光合成に、炭素肥料の有機炭素が付加され、同じ耕地の生産量が倍増に近いほど増加します。しかも、それは美味しくなります。テストで60点を取る生徒に、「50点足してあげる」というのですから、100点を超え、天才的な頭脳になります。
実は、この有機物と生石灰との反応生成物は、フランスの超有名赤ワインの為のブドウ畑の土壌とほぼ同じ。
即ち、自然の法則は、「超美味いものが、大量に稔る」ように出来ていたようです。
それが、有機廃物の生石灰による完全殺菌に隠されていたようです。

同じ耕地で、糞尿を完全殺菌して利用したら、生産が激増し、美味しくなれば、食の安寧が満たされます。食糧の倍増は、耕地の半減で、余った農地は太陽発電や風力発電とかに利用できます。
食とエネルギーの安定的な地場での供給は、海外で覇を争うのではなく、地場を整えて、安寧に導く新しい持続可能な考えです。

NPKが主要肥料と思われていたものが、実は、それはサブで、70〜90%は地場で生産する、というコペルニクス的な発想の転換が小沢さんの頭の中にあるのではないかと思います。

即ち、「堆肥の撤退」の本当の理由は、世間の常識が完璧に誤った方向へ進んでいることが判った企業経営者のとっさの判断だと思います。

表には「弁当安売り」「上納金」などに終始していますが、その底流には、社会を震撼させる現実があるように思います。
キーワードは炭素肥料、エネルギー肥料、ツイッターでは @terabito かもしれません。この蜜入りリンゴが全てを物語っています。

大変失礼しました。頑張ってください。
Posted by 松井 萌 at 2010年09月11日 10:47
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