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2010年01月11日

公共工事はりっぱな失業対策だった

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「正社員切り」も当り前になっている雇用情勢。公務員を除けば誰が派遣村に行ってもおかしくない御時世だ(新宿・大久保公園で。写真=筆者撮影)


 「東京都の公設派遣村の入所者が2万円支給されると無断外泊した…」。ガセまじりの情報がメディアを面白おかしく賑わしている。

 一度幣ジャーナルで紹介した2人のケースを振り返る。

 40歳の男性は、勤めていた建築会社が09年11月に倒産した。日雇いで失業保険にも入ってなかった。11月から引越しなど日雇い派遣の仕事をしながらネットカフェに宿泊していたが、12月25日からは仕事がなくなった。「公設派遣村」にたどり着いた時、手持ち金はわずか千円だった。

 同じく40歳の男性はサービス業の正社員だったが、09年の秋口、リストラに遭った。こちらも会社が失業保険に加入していなかったため、男性は解雇された後、日雇い派遣で日銭を稼いでいた。年の瀬で仕事がなくなり「公設派遣村」に。

 2人は口を揃えるように言う。「まさか自分が派遣村に来るとは考えてもみなかった。この前(08年末〜09年初、日比谷公園)の派遣村はテレビで知っていたが、あれは他人事だと思っていた」。

 「2番底」さえ懸念される景気の悪化で、331万人もが職を失っている。昨年同月比で75万人も増えた(09年11月、総務省調べ)。「正社員切り」も当り前となった。公務員を除けば、誰が派遣村に行ってもおかしくないような雇用情勢になっている。

 2人とも仕事を失って1〜2ヶ月だ。これから職を探そうという意欲は十分だ。職を失って間もない人はまだ目に力がある。

 ところが何十回応募しても採用されないと、絶望に支配されるようになる→働く意欲も日を追うごとに失せる→持ち金は尽きる→路上に弾き出される。

 ホームレスとなる理由に借金がある。就職には住所が不可欠とされる。だが住所を置くと「借金取り」に突き止められるため、止むなく路上生活を続ける。

 路上生活者の多くは、これまで工事現場で働いていた人が多い。ハローワークに行けば「介護職」を紹介されるが、人と接するのは大の苦手という人たちがほとんどだ。過酷な生活がたたって歯を失っている人も多い。これも介護職につくことにニの足を踏ませる原因となっている。

 住所がなくても、対人関係を気にしなくても、歯が抜けていても、飯場住まいで職にありつける公共工事はりっぱな失業対策だったのである。
posted by 田中龍作 at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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