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2010年08月14日

孤独死・行方不明にさせないために 〜ホームレス支援〜


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病院での人工透析から帰ってきた入寮者の車イスを押すスタッフ(墨田区八広のNPO法人「ぽたらか」で。写真:筆者撮影)


 墨田区八広は荒川土手沿いの典型的な東京の下町だ。「孤独死・高齢者行方不明問題」の端緒となった足立区と路上生活者が身を寄せ合うようにして暮らす墨田公園の両方にほど近い。ホームレス支援のNPO法人「ぽたらか」がそこにあると聞き訪ねた。

 「ぽたらか」には要介護認定を受けた17人が入寮している。ほとんどが認知症でホームレス経験者だ。行き倒れで病院に運ばれ、退院後行き場のない人たちが、社会福祉事務所の相談員に連れられて来る。

 昨年末入寮した金沢敏夫さん(仮名・63歳)は、亀戸公園で路上生活をしていた。深酒がたたり脳梗塞で倒れたところを保護され、病院退院後、足立区福祉事務所の紹介で「ぽたらか」で暮らすようになった。

 金沢さんはトラック運転手だったが、不況で職を失い路上に弾き出された。収入があった頃は福島県に残してきた妻子に仕送りをしていたが、仕事がなくなるとそれも出来なくなった。家族との音信も途絶えた。

 金沢さんに住み心地を聞くと「最高、すべてが揃っていて心配することは何もないから」。最近テレビで話題になっている孤独死についても「ここにいれば孤独死なんて関係ないよ」と屈託なかった。実に明るいのである。

 この日の夕食は「巻き寿司」「卵豆腐」「マグロの山かけ」というメニューだった。「我が家よりはるかに豪勢ですね」と筆者が言うと、金沢さんは「うん美味しいよ」と笑いながら答えた。

 最年少の男性スタッフ(43歳)は、インターネットで「ぽたらか」を知り東海地方から上京した。「かつて自分が住んでいたマンションから孤独死が大挙出そうなことが分かり、そんな世の中にしたくないと思った」と語る。

 男性は「ぽたらか」に来るまで車イスを押したことがなかった。「小さく縮んでいても人は意外と重い」。男性は車イスを初めて押した時の感想を語ってくれた。筆者も意外に思った。一人一人が背負ってきた人生の重みなのだろうか。

 「ぽたらか」副代表の西村貢二さん(55歳)は言葉を噛み締めるようにして話す―「もっと入寮者を増やしたい。要介護者だけでなく健常者にも入ってもらえるようにしたい。そうすれば一人でも孤独死を減らせる」。
posted by 田中龍作 at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 高齢化社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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