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2010年12月08日

民主党政権の「いんちきオープン記者会見」

写真
首相官邸・記者会見室。フリーは写真一枚撮るのにも注意を受ける。記者クラブは会見中に自席から撮影していてもお構いなしだ。恐るべきダブルスタンダードである。(6日、写真:筆者撮影)


 6日、開かれた菅直人首相の官邸記者会見でビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏が次のような質問をした――

 「民主党の一丁目一番地であるはずの情報公開が、特に菅政権になってから進んでいない。記者会見の解放は実際に止まっているし、予算編成の過程についても透明化が進んでいない(中略)今後具体的にどのような形をとってゆくのか?」。

 菅首相は「私の会見はオープンになっている」と胸を張り、「各閣僚にはできるだけオープンにするよう閣議なり閣僚懇なりで申しあげたい」と述べた。前段の答えは『嘘』、後段は『無意味』だ。

 菅首相の嘘:要件満たしていても出席できず

 官邸首相記者会見の参加要件のひとつに、「いわゆるフリーランスの記者で上記の企業・団体が発行する媒体に一定程度の記事を提供する者」とある。上記の企業・団体とは具体的には日本雑誌協会や日本インターネット報道協会などだ。

 過去に警察不祥事を明るみに出したフリージャーナリストの寺澤有氏は、参加要件を満たしているにもかかわらず出席できない。官邸報道室の官僚から出席を拒否されているのだ。キャリア官僚の横のつながりは濃密である。

 寺澤氏の電話での問い合わせに対して、官僚は「私の権限であなたを記者会見に出席できないようにすることができる」と答えたという。寺澤氏に限らず要件を満たしているのにもかかわらず記者会見に出席できないジャーナリストは数えきれないほどいるのが実態だ。

 無意味な首相発言:記者クラブと官僚のまやかし

 各省庁の「記者会見オープン化」はお寒い限りだ。一度登録を済ませておけば随時記者会見に出席できるのは、外務省と総務省くらいのもの。ほとんどの省庁は毎度毎度、記者クラブの幹事社にお伺いを立てなければならない。幹事社が「よし」と言えば申請用紙を送ってもらい、それに記入してFAXする。

 通常記者会見は閣議後に持たれるので週2回もこの手続きをしなければならない。幾つもの省庁を掛け持ちするフリージャーナリストは大変な労力を強いられる。記者クラブはフリージャーナリストが消耗することを見越して、わざわざこのような煩雑な手続きにしているのではないだろうか。

 それでいて記者クラブと官僚は口を揃えて「ウチはオープン化していますよ」と嘯(うそぶ)くのである。凡庸な菅首相は「まやかしのオープン化」を見抜けない。あるいは見て見ぬふりだ。

  国民はご都合主義 に騙されない
 
 支持率低迷に苦しむ菅政権は、TBS出身の下村健一氏を広報担当の内閣審議官に迎えた。伸子夫人の肝入りとされる。下村氏は一時期、日本インターネット新聞社(JANJAN)に関わるなどした。市民メディアの出身とも言える。

 下村氏は官邸記者会見のフルオープン化を考えているという。菅首相が国民に向かって話しかけるには良い方法だ。

 だが今となっては遅すぎた。消費税発言に始まり尖閣沖事件に代表される外交の不手際など菅政権の失態は十指に余る。信頼は地に堕ちた。首相周辺は記者クラブメディアが政権を見放し始めたことに気付いたのだろう。そこで今度は「記者会見フルオ−プン」である。

 こんなご都合主義にフリーやネット記者は騙されない。国民も即刻お見通しだ。第一、菅さん自身これまで国民に向かって話しかけて来なかったではないか。


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posted by 田中龍作 at 14:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャーナリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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