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2010年10月23日

派遣労働者が悲鳴「さらに短期化する細切れ雇用」

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労働問題の経験豊かな弁護士やユニオンのベテランスタッフが非正規労働者からの相談に乗った。(23日、東京・代々木のユニオン運動センター。写真:筆者撮影)


【ハケンという蟻地獄】

 雇用情勢が悪化するなか「派遣ユニオン」が23〜24日の両日、非正規労働者にアドバイスする電話相談を行っている。

 ユニオン運動センター(東京・代々木)に特設された6台の電話には頻繁に非正規労働者から相談が寄せられている。

 生活を少しでも安定させたいために正社員化を希望する相談が中心だ――

 「派遣先で3年以上働いているので正社員になりたい」(30代・男性)。

 「5年2ヶ月、神奈川県内の工場で契約社員として働いてきた。社員にするという約束だったのに、逆に解雇された」(外国人労働者・女性)。

 労働者派遣法では、派遣先の企業は同じ職場で3年以上働いた労働者を直接雇用する義務がある。上記の非正規労働者が勤める企業は明らかに法律違反だ。

 「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長によれば「派遣先の企業は、3年過ぎたことをハッと気付きすぐ解雇する」のだそうだ。

 深刻なのは細切れ雇用がさらに短期化していることである――

 「いやがらせが酷かったので、会社側のアンケートに記入したら、『今月一杯で解雇する』と言われた」。愛知県の自動車工場で働く派遣労働者からの相談だ。彼は2ヶ月ごとの細切れ契約だった。アンケート記入の“お咎め”がなくとも契約期間の満了で切られる運命にあった。

 関根書記長は「細切れ雇用が増え、さらに短期化している」と
憤る。リーマンショック(2008年秋)の前までは製造業の場合、3ヶ月契約と6ヶ月契約が主流だった。ところが今は2ヶ月契約が主流となっている、という。短期雇用が一層短くなっているのは厚労省の調査でも裏付けられている(平成21年度労働者派遣事業報告)。

 「細切れのさらなる短期化」は、不景気で企業が頻繁に生産調整するためだ。電器メーカーがめまぐるしく機種変更することも影響している。携帯電話が典型的な例だ。
 
 メーカーは派遣会社に「この機種は明日で生産中止なので全員解雇です」と何食わぬ顔で言ってくる。商取引の面からも契約違反で違法だが、派遣会社にとってメーカーは大事なお客様なので文句一つ言えない。言おうものなら、次から発注がなくなる。

 これには派遣会社も「堪らん」と嘆いているそうだ。切られる派遣労働者は「もっと堪らん」。明日から稼ぎがなくなるのだから。現下の景気では次の仕事を見つけるのは容易ではない。持ち金が尽きればアパートの家賃も払えなくなる。

 筆者は相談電話の向こうから派遣労働者の悲鳴が聞こえてくるようでならなかった。


「派遣トラブルホットライン」電話番号
首都圏:050-5808-9835
関 西:06-6942-0219


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2010年10月19日

「派遣・非正規切り」に遭う前に電話相談を

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派遣法の抜本改正求めてシュプレヒコールをあげる派遣労働者たち。問題は今も解決していない。(昨年5月、日比谷公園。写真:筆者撮影)


 【ハケンという蟻地獄】
 止まらぬ円高に打つ手なしの菅政権の下、景気は悪化する一方だ。“第2次派遣切り”も現実味を帯びつつある。「自分は切られるんじゃないか」と不安に苛まれている非正規労働者の皆さん、諦めてはいけない。

 「NPO法人・派遣労働ネットワーク」が23、24日の両日、「派遣トラブルホットライン」を設け、非正規労働者の相談に乗る。電話口で対応するのは労働問題の経験豊かな弁護士やユニオンのベテランスタッフだ。

 出口の見えない不況で派遣労働者を取り巻く環境は悪化の一途をたどる。

 時給は「1407円」(平成20年度)から「1271円」(21年度)に下がった。1年で136円=9・6%もダウンしたのである。

 細切れ雇用の進行も深刻だ―
 7日〜1ヶ月の超短期雇用は13・2%(平成20年度)から16・4%(21年度)に増加した。一方で3ヶ月以上の雇用は軒並み減少している。なかでも1年〜3年は1・3%(平成20年度)から0・9%(21年度)と1%を割ってしまった(厚労省「平成21年度労働者派遣事業報告」より)。1年以上の雇用が1%余りしかなかったこと自体が、そもそも問題なのだが。

 就職難、就労難につけ込んで、労働基準法や労働者派遣法に違反する経営者は増える一方だ。なき寝入りしてはいけない。「派遣労働ネットワーク」に相談して事態が改善されたケースは数え切れないほどある。一人で悩まずに「派遣トラブルホットライン」に電話してみよう。

電話番号
首都圏:050-5808-9835
関 西:06-6942-0219


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2010年10月15日

派遣法改正大詰め 経団連よ労働者の惨状を聞け

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男性が勤めていた生コンクリート工場は労働基準法などお構いなし、暴力や恐喝も野放しの暗黒社会だった。(15日、経団連前=東京・大手町。写真:筆者撮影)


 労働者派遣法の改正が今国会で大詰めを迎えつつある。非正規労働者のユニオンが15日、財界の総本山である経団連の前で抗議活動を行った。労働者の権利が踏みにじられてきた「小泉・竹中改悪」を清算する、天王山の戦いは火蓋が切られたのである。

「小泉・竹中」の労働政策の狙いは図式的に表すと次のようになる。労働法の改悪→簡単にリストラ→企業の内部留保高める→株価を上昇させる。労働法改悪の象徴が、製造業への労働者派遣の解禁だった。

 昨夏、政権交代をかけて衆院選に臨んだ民主党は「日雇い派遣」と「製造業への派遣」の原則禁止を社民党、国民新党の間で結んだ。だが今夏の参院選で大敗を喫したために法制化は微妙になっている。

 東京・大手町の経団連前では、派遣はじめ外国人労働者、建設労働者などのユニオンの代表が、働く現場の惨状を訴えた。派遣法はじめ労働法制の改悪を主導した経団連首脳に届けとばかりに。

 横浜市内の生コン工場で働く男性は、会社側の労働基準法違反や労災隠しなどの実態を明らかにした。日報を改ざんし残業代を払わず、「労災申請すると解雇するぞ」と脅していた、という。実際、男性は一度「退職願い」を強制的に書かせられた。暗黒社会である。

 この生コン工場は経団連ビルに本社を置く名門企業の子会社だ。財界の総本山にヤクザまがいの違法行為を続ける工場の親会社がデンと腰を据えている。日本の労働環境は「夜明け前」だ。


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