文字サイズ

田中龍作ジャーナルはサイトのアドレスが変わりました。
新サイト最新記事 (http://tanakaryusaku.jp/



2011年01月08日

ついに激突! 記者クラブVSフリージャーナリスト  〜その4〜

写真
記者クラブは神聖不可侵だ。何人たりとも侵入してはならない。「立入り禁止」「撮影禁止」などのご法度が並ぶ。(中央合同庁舎2号館・8階廊下から。写真:筆者撮影)


 制止も聞かずUst中継を続け、楯突くフリー記者を天下の記者クラブが許すはずがなかった。7日午後、国権の最高機関たる記者クラブ総会が開かれお裁きが下った。当然欠席裁判である。夕方、畠山氏の携帯電話に幹事社(共同通信)の藤田康文閣下から連絡があった。

 お沙汰は次の通り―
 1)フリーの動画撮影はひき続き認めない。 
 2)記者クラブ問題について繰り返し質問がなされることは極めて遺憾。
 3)議事(記者会見)の円滑な運営に協力いただけない場合は記者会見への参加を認めない。
 
 質問権のないオブザーバー資格の撤廃については総会で議論さえしなかった、という。

 お裁きの要点を分かりやすくまとめると “お前ら、記者クラブに対してこれ以上ガタガタ言うと出入り禁止にするぞ” というものだ。

 この日午前の記者会見で畠山氏が行った質問が、記者クラブの逆鱗に触れたのである。畠山氏の質問は次の2点――

▼任意団体の記者クラブが記者室を家賃無料で使用しているのは、公有財産の目的外使用にあたり、憲法89条に違反しているのではないか。

▼公的機関から便宜供与を受けて国民の知る権利(参加資格、質問権の制限)を阻害し続ける記者クラブ制度についてどう考えるか。

 片山総務大臣は「国民の皆さんは編集機能を持ったマスメディアを通じて情報収集をしている。記者クラブに一定の便宜供与をすることは合理性がある」と答えた。
  
 筆者は元鎌倉市長の竹内謙氏が記者室をオープン化した例をあげて片山大臣に質問した―

 「竹内市長は誰でも彼でもというわけではなく、報道に携わっている者であれば記者室を利用できるようにした。大臣が仰るように編集機能を持った人たちです。こうした方が大臣の政策を広く国民に報せることができるのではないか。新聞離れ・テレビ離れが進んでいることを考えたら大臣はタコつぼに向かって話しているようなものだ」。

 片山大臣は「通信媒体も社会も変わり、いつまでも今まで通りで未来永劫いいとは思いません」と述べるに留まった。

 筆者の言辞も記者クラブのプライドをいたく傷つけたのであった。畠山氏の質問と共に冒頭のお裁きが下った理由である。

 “不都合なことを指摘されないように、指摘されても外に漏れないように” これが記者クラブの基本哲学だ。ご政道を犯したフリー記者らを出入り禁止にすることは、彼らにしてみれば朝飯前である。

 記者クラブメディアを言論機関であるなどとはユメユメ思ってはいけない。言論弾圧機関なのである。

             (つづく)
※幹事社の制止を聞かず畠山氏が断行したUst中継は下記URLで

http://www.ustream.tv/recorded/11859882


田中龍作の取材活動は読者に支えられています。
posted by 田中龍作 at 14:17| Comment(1) | TrackBack(1) | ジャーナリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月07日

ついに激突! 記者クラブVSフリージャーナリスト 〜その3〜

写真
国権の最高機関たる「記者クラブ総会」を招集する張紙。記者クラブ員以外がこの場所で撮影することは固く禁じられている。(7日、総務省記者クラブ。写真:筆者撮影)


 前回(5日)の記者会見でご法度のUst中継をし、お上(記者クラブ)に楯突いたフリー記者たちは、7日も記者会見に出席することにした。ただし個別がさみだれ的に会見室に行くのではなく、総務省が入る中央合同庁舎2号館の1階ロビーで待ち合わせた。

 我々は「出入り禁止処分」となっても記者会見に出るつもりだった。記者クラブによってツマミ出されそうになったら、それをネット中継し映像記録にも残さなければならない。口で抗議する要員も必要だ。

 「1個小隊」固まって行かなければ、フリー記者への弾圧は闇に葬られる。1階ロビーで待ち合わせたのは、そうならないための自衛策だった。畠山理仁氏はじめ5人はエレベータで8階の総務省記者会見室に向かった。

 ところが記者会見場には拍子抜けするほどスンナリと入れた。狐につままれているようだった。入り口の掲示板を見て理由がわかった。張り紙に「緊急クラブ総会、7日午後1時から。テーマ『フリー記者の動画撮影』について」と書かれていたのである。

 騒動となった5日の記者会見から2日間、記者クラブ側から音沙汰がないのはこのためだ。我々についての処分はまだ決まっていないのである。

 結論は見えているのに「記者クラブ総会」を開くのは彼らにとって極めて重要な儀式だ。「クラブ総会で決まった」と言えば誰もそこから先は追及できない。記者クラブ総会が国権の最高機関といわれる所以だ。

 国会は一応テレビ中継され、国民も傍聴できる。ところが「記者クラブ総会」はどんな議論がなされたのか全く明らかにされない。検察審査会以上の魔境である。

 我々が会見場に入室すると間髪をいれず幹事社が飛んできた。幹事社は畠山氏に「きょうも動画撮影をやるのですか? クラブとしてはまだ結論を出しておりませんので・・・」と告げた。“撮影は認めないからな”といわんばかりである。

 幹事社に正面きって言われた畠山氏は気の毒なほど萎縮していた。ヘビににらまれたカエルとまではいかないが、小さくなっていた。代わりに厚顔無恥な筆者が「我々は断行します」と宣戦布告した。

 片山大臣が現れ記者会見が始まった。畠山氏は幹事社の制止を聞かずUst中継を始めた。会見場には不気味な沈黙が流れた・・・

             (つづく)
※畠山氏が幹事社の制止を聞かず断行したUst中継は下記URLで

http://www.ustream.tv/recorded/11859882


田中龍作の取材活動は読者に支えられています。
posted by 田中龍作 at 19:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャーナリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月06日

ついに激突! 記者クラブVSフリージャーナリスト 〜その2〜

写真
「現行犯」の畠山氏(後ろ姿)を咎める幹事社(前列・ヒゲの男性)。=5日、総務省記者会見室。写真:筆者撮影=


 幹事社から問い詰められた畠山氏はPCに書き込んできたメモを読みながら慎重に答えた。「総務省の記者会見がインターネット配信を通じて国民すべてに開かれているというのであれば、私は動画配信をしない」。苦しそうに語る口調が畠山氏の決意のほどをうかがわせた。

 畠山氏は返す刀で「フリーによる動画撮影とネット中継を認めないのは不合理である」と片山大臣に食い下がった。大臣に言葉を発しながら、実は記者クラブに抗議しているのだ。

 片山大臣は「記者クラブは映像の2次利用を心配しているようですね」と話した。クラブが吹き込んだのだろうが、筆者は大臣にその心配はないことを説明した。「一昨年9月から外務省でニコニコ動画とビデオニュース・ドットコムがネット配信しているが、2次利用のトラブルは一切ない」と。

 筆者はネットの次のような利点を説明した。▼一部始終を視聴することができる。▼視聴者の数はテレビより勝るとも劣らない。そのうえで「ネットを配信させないというのは国民の知る権利に逆行することにならないか」と迫った。

 記者クラブによる規制は理不尽であることは明らかだった。それでも威厳を保ちたいのが記者クラブだ。幹事社が言い放った。「記者会見はクラブ主催である以上・・・」。

 正当性のない権威をカサにゴリ押しする態度だった。筆者は怒りで理性を失った。もともと理性的なタチではないが。

 「あなたたちはジャーナリストでありながらジャーナリストの知る権利を奪って恥ずかしいと思わないのか?」と怒鳴った。

 片山総務相の記者会見が終わると幹事社が「フリーの皆さん、残って下さい」と高らかに告げた。言葉使いは一応丁寧だが、高校の番長が「オウ、お前ら残っとけよ〜」と凄んでいるようでもあった。

 幹事社はネット中継という掟破りをしでかした畠山氏への尋問を本格化させた。「生中継をやったことを告白したのは何故?」

 「大臣の見解を聞きたかったからです」と畠山氏。きちんと揃えた両膝の上に手を乗せ背中を丸めたままだ。お白州の裁きを受ける罪人を思わせた。「現行犯ですから」と後でおどける畠山氏が不憫だった。

 フリー記者の寺澤有氏は幹事社による尋問のもようをビデオ撮影していた。闇に葬られないようにするための可視化である。

 思い余った寺澤氏が幹事社に聞いた―

 「出入り禁止になるんですかね?」

 「クラブで話し合ってみないとわかりません」

 「お沙汰はいつ出るんですか?」

 「わかりません」

 現時点(6日22時)でお沙汰はまだ言い渡されていない。不安を抱えながら畠山氏や筆者は明日(7日)の総務相記者会見に出席する・・・

                (つづく)
 ※畠山氏がお手打ち覚悟で撮影・配信したUst中継は下記URLで

http://www.ustream.tv/recorded/11824836


田中龍作の取材活動は読者に支えられています。





 


       
posted by 田中龍作 at 22:46| Comment(0) | TrackBack(1) | ジャーナリズム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。