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2011年02月24日

菅政権の崩壊見計らう「東京維新の会」

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 旗揚げした「東京維新の会」。民主党に残って改革するというが・・・。(24日夕、憲政記念館。写真:筆者撮影)。


 “倒閣運動が本格化した”と書けないところがもどかしい。地域主権を目指す政策集団「東京維新の会」が24日、発足した。民主党国会議員10人をはじめ都内の現職地方議員、立候補予定者の51人からなる大集団だが・・・

 同日夕方、憲政記念館でお披露目の記者会見があり、平山泰朗議員(東京13区)が会の設立趣意書を高らかに読み上げた。「議員定数や歳費の見直し、行政の効率化や人件費の削減など市民が当たり前に思っていることを当たり前に実現していく・・・」。キモは09年総選挙のマニフェストに戻ることだ。

 「東京維新の会」は、菅政権の増税路線や、一向に進まない議員定数の削減、公務員給与の削減を生活者本位の方向に修正しようというのだ。ごもっともである。だが飛び出した本音は、“予想通り”期待を裏切るものだった。

 会の中心人物である中山義活・経産政務官は「民主党の中で改革を目指す」とした。

 「選挙で大労組(自治労・官公労)にどっぷりお世話になってきた民主党の中にいて経費削減が実現できる訳がないではないか?」と筆者は質した。

 中山政務官は「諦めてはいけない。任期は4年間ある」と精神論で答えた。

 「(維新の会が唱えることとは逆を行く)政府提出の予算案に反対すべきではないのか?」とも追及したが、「予算案は通す」ときっぱり答えた。

 これでは菅政権を追い詰めることになりはしない。「再来月に迫った統一地方選挙、いつあってもおかしくない解散総選挙に向けたパフォーマンスではないか」(これも言わせてもらった)。

 分かりやすく言うと彼らは様子見なのである。ジャーナリストの上杉隆氏が「各地の『維新の会』と連携する予定はあるのか?」と質問すると、中山政務官は「大きな広がりを作り出してゆきたい」と答えた。

 予算関連法案が否決されても菅首相が居座り続け、民主党が二進も三進も行かなくなった時、彼等は初めて旗幟を鮮明にする。受け皿は原口一博・前総務相が近く旗揚げする「日本維新の会」と見られる。タイミングと菅政権の崩壊状況を見計らっているところだ。


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posted by 田中龍作 at 23:44| Comment(1) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月22日

泥船民主党、小沢氏招き「政治とカネ」聴取

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 小沢元民主党代表を招き「政治とカネ」について聴取した党倫理委員会。(22日午前、民主党本部。写真:筆者撮影)。


 どこまでピントの外れた政党なのだろうか。国民の関心とは掛け離れたことにひたすら労力を費やしているのだから。

 民主党はきょう午前、政治とカネの問題をめぐって倫理委員会を開き小沢一郎元代表から事情を聴いた。

 今夕、開かれる常任委員会で小沢氏への処分が決まる可能性もある。執行部の目論見通り党員資格停止処分となれば、小沢氏が支部長を務める岩手県第4区総支部への党本部からの選挙資金提供が止まる。小沢氏は代表選に出馬できなくなる。

 民主党自体がビクともしない鋼鉄船で順風満帆ならともかく、早晩沈む泥舟だ。こんな処分は小沢氏にとっては痛くも痒くもない。すでに泥船より遥かに頑丈な新造船に一族郎党引き連れて乗り移る準備は着々と進んでいるのである。

 倫理委員会の冒頭、渡部恒三名誉顧問は「民主党は国民の信頼に応えるためにも政治とカネの問題にケリをつけなければならない」と述べた。

 黄門様もついにボケたか。小沢氏の政治資金団体による土地取引をめぐっては、検察審査会のズサン極まりない審理が明らかになっている。検察審査会のリークを受けていた新聞・テレビは頬被りだが、ネット上では半ば常識となりつつある。

 政治とカネは検察と記者クラブメディアが作り出したものなのだ。国民の多くが民主党政権に愛想を尽かしたのは政治とカネではない。菅政権のマニフェスト破りであり、自民党より自民党らしい政治に対してだ。

 景気は一向に上向かないのに増税がのしかかるかもしれない。それでなくとも生活は苦しいのに。国民の不安を顧みず内ゲバに血道をあげる菅政権は、早く沈んで頂きたいものである。


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posted by 田中龍作 at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月18日

東京選出議員も「菅政権はマニフェストを守れ」

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「マニフェスト回帰」の要請文を枝野官房長官に手渡した直後、記者会見する民主党東京都連有志。(18日午後、衆院会館。写真:筆者撮影)。


 昨日16人の議員が会派を離党したような土石流とはならなかったが、菅執行部にジャブが浴びせられた。東京都選出の民主党国会議員9人が18日、菅内閣に「09年マニフェストに帰れ」と要請したのである。中山よしかつ(東京2区)、松原仁(東京3区)議員ら民主党東京都連有志9人が官邸を訪れ枝野官房長官に要請文を渡した。

 要請の内容は大きく3点――
・09年マニフェストの原点に立ち戻り、国民との約束を果たすこ  
 と
・予算の全面組み換えの実行を第一義とし、増税を前提としないこと
・民主党結党の精神に立ち戻り、政治主導を確立し、地域主権国家の建設を目指すこと

 東京都連有志は官邸への要請後、国会内で記者会見した。中山よしかつ議員は「政権交代した時の選挙運動の日々を思い出す。皆さんにこの(09年)マニフェストを訴えてきた。なにより『国民の生活が第一』に戻ることに真価がある」と力を込めた。

 菅執行部はマニフェストとは180度違った政策の実現に闇雲となっているのが実情だ――

 首相は先月21日、政務3役だけに限られていた省庁間の調整に次官も入ることを容認した。「行き過ぎた政治主導だった」と述べ、官僚に対して白旗を上げたのである。

 増税については記者クラブメディアという広報機関を通じて消費税増税にまっしぐらである。改めて言うまでもない。

 筆者は「こんなこと要請しても菅さんには『蛙の面にションベン』だ。政府が出した予算関連法案がマニフェストと違っていたら皆さんたちは法案に反対するんですか?」と質問した。

 松原議員の答えがふるっていた。「蛙の面にションベンだとは思っていない。(法案反対については)仮定の質問にはお答えできない」。

 フリージャーナリストの岩上安身氏が追及した。「菅政権は全力をあげてマニフェストを反故にし増税、官僚回帰に進んでいる。皆さん方の要請を『はいそうですか』と受け入れてくれるはずがない」。

 松原氏の答えは笑えた。「枝野官房長官は我々の要請に同意してくれた」。筆者は「そんなお人良しなこと言ってて政治家が務まるんですか?」「単なるパフォーマンスだと思われますよ」と突っ込んだが返事はなかった。(詳しくはIWJのUST中継で視聴して頂きたい)

 『蛙の面にションベン』は菅さんではなく松原議員のことだったようだ。TVタックルで阿川佐和子にバカにされていたのが頷けた。

 選挙区のある議員は公認を外されると死活に関わる。明らかに執行部に遠慮しながらの要請だった。

 このまま統一地方選挙に突入すれば、民主党の惨敗は避けられない。国会議員は即自分の足元が危うくなるのである。全国道府県の国会議員が同じような要請をすれば大きなうねりとなるのだが。


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posted by 田中龍作 at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする