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2011年01月18日

小沢元代表「僕の支持者は微動だにしない」 

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小沢一郎元代表。熱燗を啜りながら政治哲学を語った。この日も適量の2合を飲んだ。(17日、港区の日本料理店。写真:筆者撮影)


小沢一郎元民主党代表が17日、都内の料理屋でフリー記者らと懇談した。記者クラブメディアや菅執行部が「離党」「議員辞職」と喧しいなか、小沢氏は政治や人生を縦横に語った。

 筆者は懇談会・開始時刻の夕方6時より数分前に会場の料理屋に着いた。小沢氏はすでに来ていて、先着のフリー記者らと冗談を言い合っていた。マスコミが喧伝する倣岸不遜さはかけらもない。

 ジャーナリストの江川紹子氏が「これだけ叩かれても頑張ることができるのはどうしてか?」と尋ねた。

 小沢氏は「それは支持者がしっかりしているから。僕の支持者は微動だにしない」と話し、マスコミに右顧左眄する最近の政治的風潮を嘆いた。

 「民主主義の基本は選挙」が小沢氏の政治哲学だ。民の声を政治に反映させる最大の機会が選挙なのである。

 若かりし頃の小沢氏は国会会期中、選挙区に帰らなかったという。その代わり夏休みは2ヶ月間ベタッと張り付いて有権者の家を一軒一軒訪問したのである。

 小沢氏は自民党幹事長時代、鶴田浩二の「傷だらけの人生」がオハコだったそうだ。

♪何から何まで真っ暗闇よ。筋の通らぬ事ばかり。右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合い。どこに男の夢がある。♪

 「今の永田町こそ、この鶴田浩二の歌がぴったりじゃないですか?」と筆者は聞いた。
 「お天道様がちゃんと見てるよ」。強制起訴だ、離党勧告だと騒がれても平常心を失わない小沢氏の姿勢を象徴する言葉だった。


居酒屋懇談会は『割り勘』でした


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2011年01月13日

発言封殺のシャンシャン民主党大会

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民主党大会終了後、記者会見する菅代表。「ユンケル」の効き目が切れたのか、虚脱状態だった。(13日、幕張メッセ。写真:筆者撮影)


 民主党は13日、2011年度の党大会を幕張メッセで開いた。連立を組む国民新党の亀井静香代表らの挨拶に続き、菅直人代表が登壇した。菅氏は「ユンケル」を5本以上飲んできたのだろうか。病的に高いテンションで演説した。内容も自画自賛の洪水で、これまた病的だった――

 「子供手当てを導入したことは歴史的で画期的なことだった。農家の個別所得保証の予算を取り拡充したことは歴史的に見ても間違っていない」。首相は“歴史”という言葉が好きなようである。

 よほど実績をアピールしたいのか。「●●に□□億円の予算をつけた」などと予算をつけた例を何件もあげた。

 批判が多かった外交については、まず「尖閣列島は日本固有の領土・・・」と虚勢を張った。続いて出た言葉には我が耳を疑った。「日中、日露関係、韓国など東アジアの諸国との外交の多くは前進している」。菅氏の脳には現状を認識する細胞がないようである。

 こんな調子で菅首相は20分間も絶叫したのだった。

 続いて岡田克也幹事長が2012年の活動方針案を提案した。岡田幹事長の提案が終ったところで会場から怒号があがった。だが会場の幕張メッセはサッカー場のように広いため、何と叫んでいるのか、記者席からでは聞こえない。

 立ち上がって発言を求めているのが森ゆうこ議員で、地方代表が「そうだ」と呼応していることだけは分かった。

 議長役の武正公一議員は「党大会での質疑は先例がない」として森議員の質問を認めなかった。

 大会終了後、森議員に聞いた。森議員は次のように発言を求めたという。「大増税路線を唱える与謝野さんを入閣させるとはどういうことだ。民主党が約束していた『国民が第一の政治』とは違うではないか。国民が第一なら国民のために戦わず、何で増税なんですか?」

 森議員の抗議もむなしく党大会はシャンシャン大会で終わった。

 執行部は内閣改造の前日に党大会を、前々日に両院議員総会を持ってきた。中間派でも、親小沢でも政務官や副大臣ポストは回ってくる。人事で黙らせようという狙いだ。

 それでも両院議員総会では執行部批判が噴出し、党大会では怒号が飛び交った。愛知県知事、名古屋市長選挙は来月に、統一地方選挙は4月に迫っている。

 執行部が消費税増税など困窮する国民生活を省みない政策をこのまま続ければ、選挙では壊滅的な敗北を喫するだろう。菅政権が国民の信を失い航行不能になることは目に見えている。生活弱者は波間に沈む恐れさえある。


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2011年01月12日

民主党両院総会 「ガスが充満した」

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民主党両院議員総会。小沢元代表(中央)は終始目を閉じたままだった。=12日、憲政記念館。写真:筆者撮影=


 12日、憲政記念館で開かれた民主党の両院議員総会は、菅政権の混迷をそのまま映し出した。冒頭挨拶に立った菅直人代表はいきなり大ボケをかましたのである。「民主党政権の1年半は大きく見て間違いはなかった・・・」。

 間違いがなかったら、どうして参院選挙、地方選挙で惨敗が続くのだろうか。常識に照らし合わせれば明らかにズレているのだが、菅代表は本気でそう思っているようだ。

 質疑が始まると横粂勝仁衆院議員がいきなりアッパーカットを入れた。「総理しっかりして下さい。円高、財政難、少子高齢化などの難問山積の中、民主党の内紛を国民は冷めた目で見ている(中略)国民のための政権交代であって一部の人の政権交代ではなかった」。

 頼りなさがトレードマークの横粂議員にまでコキ降ろされ、菅代表は苦虫を噛み潰したような顔になった。隣席の岡田幹事長は薄ら笑いを浮かべるばかりだった。岡田氏の内心が覗いた瞬間だった。“横粂はちゃんと見とるわい。菅は指摘の通りアホだ”

 質問に立った議員は口々に「このままでは4月の統一地方選挙は戦えない」と悲痛な叫びをあげた。

 「大臣をただ辞めさせないで欲しい。現場の苦労が分かっているのでしょうか。与党幹事長が自ら政局を作り出さないで欲しい」―こう訴えたのは橋本清仁・衆院議員だ。内閣改造で目先を変えようとする執行部を批判したのである。

 渦中の人、小沢一郎元代表も出席した。小沢氏がこの種の会合に顔を出すのは異例だ。松木謙公、岡島一正氏ら側近議員に回りを囲まれて座った。小沢氏は終始目を閉じたままだった。時折、鼻や頬に手をやるとカメラのフラッシュが激しくたかれた。

 1時間40分にわたる両院議員総会は執行部批判の嵐となった。それでも菅代表や岡田幹事長からは具体的な政策や方針は何も出なかった。

 岡田幹事長が「菅総理の下に結束することが、民主党が一枚岩になっていると国民に示すことになる」と言えば、菅代表は小沢氏の政治とカネを絶叫するばかりだ。そこには政権政党の面影さえも見られなかった。

 総会終了後、川内博史・衆院議員は「(執行部は)民主党が置かれた厳しい現実に対する認識が全くない。ガス抜きどころかガスが充満した」と吐き捨てた。

 議員の多くは統治能力を失った執行部に悲鳴をあげ反発を強める。こんな政権政党に生活を任せる国民はたまったものではない。


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posted by 田中龍作 at 21:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする