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2010年10月08日

収監直前トーク 鈴木宗男VS佐藤優 〜後編〜


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「狙われたらおしまい」。明日は我が身を思わせる2人のトークには、大勢の国会議員が出席し立ち見も出た。右奥(黄色のネクタイ)は小沢氏をめぐる事件で「供述は誘導された」とする石川知裕議員(被告)。=7日、衆院第2議員会館。写真:筆者撮影=


 北方領土支援をめぐる一連の事件で、鈴木、佐藤両氏に対する捜査は先ず逮捕、起訴ありきの「国策捜査」だった。鈴木氏は林野行政に絡んだ別件であっせん収賄罪の有罪が確定した。先月7日のことだ。だが、大阪地検特捜部による証拠いん滅事件の発覚があと1ヶ月も早ければ、最高裁の判断にも影響を与えただろう。

 もうひとつ特筆すべきは、この事件をめぐる検察から報道機関へのリークが凄まじかったことだ。裁判所の判決に照らし合わせてみると、「針小棒大」どころか、「ない」ことまで棒大に報道しているのである。それは小沢一郎元幹事長の政治資金団体による土地取引事件に関する報道でも同じだ。

 小沢氏をめぐる事件ではさらに厄介なものが加わった。世論操作を受けやすく実態が不透明な検察審査会である。
 
 「検察組織」「情報リーク」「検察審査会」の問題点をムネオとラスプーチンが鋭くえぐった。

  情報リークと情報管理

 佐藤優:
 リークされた情報が正しくなかった場合、リークした奴の名前を(記者は)バラスべきだ。なぜなら国民が真実を知る権利に反するから。ウソを知らされた場合、再発防止と責任はメディアにある。

 民主党政権になって政治家とのオフレコ懇の記者メモが私の所にも回ってくるようになった。自民党政権下だったら草の根を分けてでもこの記者を見つけ出し日干しにした。民主党はそれだけナメられているということ。

  組織問題としての検察
 
 佐藤優:

 懲戒免職になると外務省でやった仕事として残らない(ゆえに自分は残って闘った)。個人犯罪にされてしまうから。前田さん(恒彦・検事)、大坪さん(弘道・前特捜部長)、佐賀さん(元明・特捜部副部長)が闘いを止めないのは、組織としてやってきたことの責任を取らなければならないからだ。

 前田さんの心理は「発掘と捏造」。神の手と称された藤村(新一)教授と同じ。遺跡を予め埋めるので100%出てくる。特捜部だから事件を挙げなければならないという圧迫感があった。

 鈴木宗男:
 大阪地検がやっていることは東京でも名古屋でもやっている。日本中の地検のやり方。国策捜査は私ひとりで結構。小沢さんの件も国策捜査だと思う。政権交代したら我々の組織はどうなるか?青年将校化した一部検察官の姿がある。

 検察審査会の恐さ

 鈴木宗男:
 検察審査会の可視化が必要。説明をしているのが検事。意図的、恣意的に法律に詳しくない人に誘導するような説明をしたらどうなるか?恐い話だ。(検察審査会は)鈴木ありき、小沢ありきで流れてきたことも事実。
 狙われたら皆さんも(鈴木、小沢と)一緒。他人事とは思わないで下さい。民主主義の危機です。

佐藤優:
 逆説的な言い方だけど小沢さんのためには良かった。(土地取引に絡んで小沢氏が強制起訴された)この事件は無罪だと思う。やりたくて仕方がなかった検察が証拠を集めきれなかった。(強制起訴しても)公判維持が大変。
 今までは「疑惑だ」、「疑惑だ」と言ってたのが裁判所の判定で「それは違うんだ」と言うことになる。
    
                    〜終り〜

内容を分かりやすくするために話しを多少前後させています。ご了承下さい。


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2010年10月07日

小沢氏 「検察審査会は秘密のベール」

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大勢の記者団に囲まれる小沢元幹事長。表情や声に張りはなかった。(7日、衆院第2議員会館。写真:筆者撮影)


 検察審査会の起訴相当議決を受けて小沢一郎・元民主党幹事長は7日、衆院会館で記者会見し「離党も議員辞職もしない」ことを表明した。

 小沢氏は明らかに憔悴していた。デッチ上げも平気でやる東京地検特捜部の執拗な捜査・取調べを交わし終えたと思ったら、素人集団によって強制起訴されたのである。

 「検察捜査で起訴に値する事実はなかった。(にもかかわらず)その後、審査会の方で起訴という議決がなされたのは大変残念」。小沢氏は力なく話した。

 普段言い訳やグチめいたことはほとんど口にしない小沢氏だが、この日の会見では、検察審査会がすでに出した議決を批判した。

 「1回目の議決の起訴理由になかったものが突然今回加わっている。11人いるのと平均年齢が30・9歳という他は分からない。検察審査会は秘密のベールに包まれている。どういう議論がなされ、どういう中でそういう結論がなされたのか、私にも国民の皆さんにも分からない」。
 
一般市民の中から抽選で選ばれたはずの検察審査会がブラックボックスになっている、と指摘する向きは多い。
 
離党や議員辞職は考えていないのか?との記者団の質問には次のように答えた。

「国の捜査機関である検察の一年余りに及ぶ捜査のなかで起訴する事実はないということが明らかになっているので、私にはそういう(離党、議員辞職)意思はない。淡々として必要とされる限り続けていく」。

証人喚問や政治倫理審査会については「国会で決めた決定に従う」とした。

 「仙谷官邸」とのチキンレース

 民主党としての小沢氏への対応は12日に開かれる役員会で決まる。離党勧告は先ず出ないだろう。以下のような理由からだ――

中味のない菅首相は小沢氏を抵抗勢力に仕立てあげることで支持率を保ってきた。党内の求心力も維持してきた。小沢氏を離党させてしまったら、自分への追い風がなくなる。

 「小沢氏は田中角栄さんのような闇将軍になるのではないか」。テレビのニュース番組が囃し立てているが、それはない。角栄さんの時代は中選挙区制だった。派閥の強弱で公認は按分された。ところが今は小選挙区制だ。公認権を党幹事長が一手に握っているので、小沢氏といえども角栄さんのように外からコントロールすることはできないのである。

 裁判には小沢氏本人が出廷しなければならず、新党結成も難しい。小沢氏は居心地が悪くても民主党にいざるを得ない。だが、じっとしていたのでは影響力がなくなるため、「同士を連れて飛び出るぞ」のポーズは見せるだろう。

 こうして「仙谷官邸」と小沢氏のチキンレースは当分続くものと筆者は見ている。


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収監直前トーク 鈴木宗男VS佐藤優 〜前編〜

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鈴木宗男・前代議士=手前=と佐藤優氏。外務省と検察を知り尽くす2人がフルスロットルで語った。(6日、衆院第1議員会館。写真:筆者撮影)


 「検察で何が起こっているのか」「日本の外交は大丈夫か」。今、日本を揺るがす最もビビッドなテーマをあの2人が生激論した。北海道の港湾開発や林野行政に絡んだ贈収賄事件で有罪が確定し来月には収監される鈴木宗男・前議員と一連の事件で執行猶予付き有罪となった元外務省のラスプーチンこと佐藤優氏(作家)である。

 ラスプーチンが「鈴木先生が(塀の)こちらにいるうちに話しておかなくてはならない」というだけあり、トークは暴露話満載で、タブーに切り込み、示唆に富んだ。

  官房機密費 と沖縄
 鈴木宗男:
 沖縄県知事選挙(1998年)で機密費を3億円持ち出した。野中さん(広務・当時官房長官)がテレビ番組で否定したが、私は野中さんに電話で「小渕総理も入れ官邸の小食堂で機密費の話をした時、小渕先生が『足りなければ外務省から来ているのを使えばいい』と言った」ことを話した。

 すると野中さんは「そう言えば恵ちゃん(小渕総理)はそんなこと言ってたなあ」と言った。

 沖縄の選挙はカネがかかるんです。

 佐藤優:
 あの時(98年・沖縄県知事選)、機密費を投入していなければ選挙の結果は変わったかもしれない。太田さん(昌秀・当時知事)になっていたら移設先は県外でしか交渉できない。そうなると普天間問題は違う着地になったかもしれない。

 民主党の中には機密費にフタをしようという動きがある。機密費は民主主義の根幹に関わる問題なので明らかにしておかなくてはならない。

 「尖閣事件」で東京の人は「だから(米軍による)抑止力が必要」という。一方沖縄の人は「抑止力になっていないじゃないか」と言う。東京と沖縄では見方が逆転する。

  尖閣諸島の領有権問題

 佐藤優:
 中国が(今回の事件で)なぜエキセントリックな対応をしたのか。ケ小平-大平会談(1978年)で「尖閣諸島の領有権問題は次世代で解決しよう」となった。以後暗黙の了解で法的管轄に服さない(刑事訴追しない)ということになっていた。(一例として)2002年に中国の活動家が尖閣に上陸したが、小泉内閣は強制送還した。(にもかかわらず今回は中国漁船の船長を起訴して日本の裁判にかけようとした)。

 日本政府の見解として領土問題は「竹島」と「北方四島」の二つ。蓮舫さん(行革担当相)が「尖閣諸島は領土問題」と発言してすぐ取り消したが、閣僚として辞任に値する。(「民主党政権には領土問題の無知さが覗く」と佐藤氏は言っているようだった)。


 物的証拠もビデオもあるのになぜ供述調書を取れないのか(笑)。

 鈴木宗男:
 こういう時にこそ前田(恒彦・検事)を使え(笑)。

 公務執行妨害で船長を捕まえたにもかかわらず、物証の船を返した。なぜ逮捕まで踏み込んだのか。

 船長を(公務執行妨害で)告発する。不起訴にしたら検察審査会にかける。(獄中から後任の)浅野貴博代議士に頼む。

 佐藤優:
 民主党も自民党も尖閣問題を政争の具にしてほしくない。

                       〜つづく〜
 ◇
記事はトークの抜粋です。内容を分かりやすくするために話しを多少前後させています。ご了承下さい。


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posted by 田中龍作 at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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