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2011年03月01日

都知事選 松沢氏、石原悪政を継承か

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 松沢神奈川県知事の都知事選出馬記者会見。多くのメディアが詰めかけた。(1日、港区のホテル。写真:筆者撮影)。


 3月の声を聞いて寒くなったのは筆者だけだろうか。今月24日、告示される東京都知事選挙への出馬を予定している3氏が1日、記者会見した。3氏とは前共産党参院議員の小池晃氏、飲食チェーン店経営の渡邉美樹氏、現神奈川県知事の松沢成文氏である。

 小池氏と渡邊氏は自由報道協会主催の記者会見で政策などを語った。小池氏の政策はしっかりとした現状認識に立ったものだった。「ワーキングプアをなくしたい」として「都営住宅の増設」「都発注の公共工事での最低賃金保障」などを行うと述べた。

 貧困問題は東京都ばかりでなく日本中の庶民が抱える問題だ。
東京をモデルケースにして現状を改善してほしいものである。だが都知事選挙では候補者が20人位乱立しないことには共産党候補が当選するのは難しい。都知事にならないことには、いくらいい政策を持っていても絵に描いた餅である。

 渡邉美樹氏についてはお話にならなかった。政治に経営感覚を持ち込むことは大事だが、政治はカネ儲けではない。「東京マラソン1回で40億円ほど入ってくるんだったら10回位やったらいい」には笑えた。

 筆者が「どんな政治を目指しているのか?」と質問すると「皆に喜ばれる政治」と答えた。「困っている人のために多めにもらっている人の分を回すこともある。そのためのコスト削減」と説明する。

 「労働組合と戦えるのですか?」と筆者は尋ねた。渡邉氏は「それはどういう意味ですか?」と言い、質問の意味さえ分かっていなかった。
「コストを削減するには労働組合と戦わなければなりませんよ」と筆者は説明した。

 ワタミで従業員を使うのと同じ感覚で公務員を働かせることができると思っているのだろう。渡邉氏は「私は労働組合と戦うとは思っていません。場合によっては『もうちょっと給料安くしますよ』とお願いするだけです」と涼しい顔で答えるのだった。

 3氏のうちマスコミが最も多く詰めかけたのは松沢成文・神奈川県知事の記者会見だった。

 松沢氏は“れっきとした”石原慎太郎都知事の後継者であることが判明した。石原都政について記者団から質問されると「石原知事のカリスマ性、強いアピール力、国民を惹きつける力、凄いなと敬服している」と褒めちぎった。

 筆者が「石原悪政の象徴とも言える『新銀行東京』と『築地移転』は、どうして行くのか?」と質問すると、松沢氏はギクッと首から上を硬直させた。一度息を飲み込んで「まだ政策は決めていないが」としたうえで次のように答えた―

 「新銀行東京はマイクロクレジットなどに対応させることができないか考えてゆく。築地移転は都議会の意見を尊重する」。

 結局、石原悪政の2大事業を否定できないのである。

 既存政党との連携について聞かれると「私を支持してくれる団体、組織があれば受けたい」と話した。自民党と民主党が相乗りする可能性があることを認めたのである。

 石原都知事の絡みで自民が押し、候補者を立てることができない民主が便乗するのである。

 都民はいつまでも騙されるほどバカではない。清新でしっかりした候補者が立てば、2大政党である自民党と民主党が相乗りしたところで敗れるだろう。



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2011年01月21日

「統一地方選戦えない」の問いに菅代表は全身硬直

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「選対本部」の看板を掛ける菅代表と岡田幹事長。(21日、民主党本部。写真:筆者撮影)


 民主党は21日、4月に行われる「統一地方選挙対策本部」を発足させ、菅直人代表や岡田克也幹事長らが党本部に「選対本部」の看板を掛けた。

 有権者に断りのないマニフェストの変更や大儀なき「小沢追放」などにより、民主党に対する国民の支持は落ちる一方だ。統一地方選挙では惨敗が予想されている。

 筆者が「『選挙を戦えない』と地方が悲鳴を上げていますが?」と聞くと、菅代表は全身を硬直させた。その模様は地上波各局のテレビカメラが捉えていたが、果たして放送されるかどうか。


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2010年12月13日

茨城県議選−政権与党の公認候補が「あわや供託金没収」

 テレビ各局は朝から「茨城県議選で民主党惨敗」と賑やかだ。だが実情は惨敗などという生やさしいものではない。選挙の体をさえなしていなかった。

 逆風のなか推薦も含めて24人もの候補(現有6議席)を立てたため、新顔の多くは当選ラインから大きく外れる結果となった。なかでも目を覆いたくなるのが土浦選挙区だ。破れた新顔の得票が供託金没収ラインに近いのである。あと千票余り不足していたら法務局に預けた80万円は没収の憂き目にあっていた

 無所属で出馬した候補が法定得票数に達せず供託金を没収されるケースはざらにある。ところが政権与党の公認候補が「あわや供託金没収」というケースは珍しい。

 この候補の公認決定過程が、内紛に明け暮れる現在の民主党を象徴していた。茨城県政に詳しい関係者は次のように解説する。地元選出の国会議員が土浦選挙区の現職県議会議員と険悪な関係にあり、「あてつけ」の意味も込めて新顔の擁立を図った。土浦医師会も独自の公認候補を立てたいため新顔を探した。

 その結果、土浦一高卒業で東京都内在住のO氏(41歳)が公認候補となった。民主党への猛烈な逆風下、2人の候補を立てるのは無謀である。現職を支持する「連合」や「郵便局長会」は反発を強めた。

 事態を見透かした医師会の一部は自民党候補の支持に回った。「勝ち馬に乗れ=負け馬からは早く降りろ」の鉄則である。

 昨年の総選挙で「茨城県医師会」はいち早く民主党支持を打ち出し、政権交代への流れを作った。その医師会が擁立した候補が「泡沫」に近い得票しか得られなかったことは皮肉という他ない。

 茨城県議選の結果は今後の政局いかんによっては民主党崩壊の序曲とさえなりそうだ。
posted by 田中龍作 at 08:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする