酷使に酷使を重ねた愛機。時々不機嫌を起こすがビンテージものになるまで使おうと思っている。
使い始めて5年以上経つ我が愛機(写真)はご覧のようにくたびれ果てている。今週始め頃からバッテリーを満タンに充電しているにもかかわらず、しょっちゅう電源が落ちるようになった。
何の前ぶれもなくOFF状態になってしまうのである。気付いて立ち上げるまでの間、『取材先から電話があったら礼を失するなあ』、『フリー記者仲間からの業務連絡があったらどうしよう』などとビクビクしていた。
昨日、やっとヒマを見つけてソフトバンクのサービスショップに行った。女性店員に症状を話すと彼女は「バッテリーかもしれませんね」言いつつも「機種変更なんかお考えではないですか?」と勧めてきた。
同業者たちが当たり前のように使っているiPhoneに変えようかと思い詰めたこともある。ツイッターのTLも読めるし、ウェブサイトも引ける。とにかく便利だ。ところがその分通信費がかさむ。友人のH記者に聞くとそれまで使っていた携帯電話の使用料より5千円余分にかかるという。サービスショップでも同じことを言われた。
5千円は我が家にとって大金だ。ラーメン8〜9杯分にあたるではないか。発泡酒のロング缶25本分だ。1袋38円のもやしが130袋も買える。一棚買い占めることもできそうだ。
「ツイッターのTLが読めればいいので、通信料がかからない機種ってないんですか?」。筆者は女性店員に聞いた。
「そうですねえ、こちらの機種でしたら基本料金880円(月額)です」。彼女はSHARPの新型モデルを示した。
『880円でTLが読めるのならこれほど有難いことはない』。筆者の心は激しく動いた。ところがそうは問屋が卸さなかった。
「880円というのはあくまでも基本料金ですから、TLをしょっちゅう読んでいるとパケット上限の5千円位すぐ行っちゃいますよ」。商売っ気がないのか、女性店員は親切にも教えてくれた。
「結局、iPhoneと同じになっちゃうんですね?」
「そうですね」。彼女はこともなげに答えた。
最新情報ツールを使うにはそれなりの出費を要する、ということだ。携帯機種変更計画はここで頓挫したのであった。
とは言え、通話可能な携帯電話が必要である。愛機のバッテリーを交換してみることにした。これまでのポイントが貯まっているのと、修理補償サービスに入っているので、新バッテリーは無料だった。
丸1日が経った。携帯電話の電源はただ一度も落ちていない。愛機にはもう少し苦労をかけることになりそうだ。
◇
田中龍作の取材活動は読者の皆様によって支えられています。