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2010年11月20日

貧乏記者が悩む携帯電話の機種変更

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酷使に酷使を重ねた愛機。時々不機嫌を起こすがビンテージものになるまで使おうと思っている。


 使い始めて5年以上経つ我が愛機(写真)はご覧のようにくたびれ果てている。今週始め頃からバッテリーを満タンに充電しているにもかかわらず、しょっちゅう電源が落ちるようになった。

 何の前ぶれもなくOFF状態になってしまうのである。気付いて立ち上げるまでの間、『取材先から電話があったら礼を失するなあ』、『フリー記者仲間からの業務連絡があったらどうしよう』などとビクビクしていた。

 昨日、やっとヒマを見つけてソフトバンクのサービスショップに行った。女性店員に症状を話すと彼女は「バッテリーかもしれませんね」言いつつも「機種変更なんかお考えではないですか?」と勧めてきた。

 同業者たちが当たり前のように使っているiPhoneに変えようかと思い詰めたこともある。ツイッターのTLも読めるし、ウェブサイトも引ける。とにかく便利だ。ところがその分通信費がかさむ。友人のH記者に聞くとそれまで使っていた携帯電話の使用料より5千円余分にかかるという。サービスショップでも同じことを言われた。

 5千円は我が家にとって大金だ。ラーメン8〜9杯分にあたるではないか。発泡酒のロング缶25本分だ。1袋38円のもやしが130袋も買える。一棚買い占めることもできそうだ。

 「ツイッターのTLが読めればいいので、通信料がかからない機種ってないんですか?」。筆者は女性店員に聞いた。

 「そうですねえ、こちらの機種でしたら基本料金880円(月額)です」。彼女はSHARPの新型モデルを示した。

 『880円でTLが読めるのならこれほど有難いことはない』。筆者の心は激しく動いた。ところがそうは問屋が卸さなかった。

 「880円というのはあくまでも基本料金ですから、TLをしょっちゅう読んでいるとパケット上限の5千円位すぐ行っちゃいますよ」。商売っ気がないのか、女性店員は親切にも教えてくれた。

 「結局、iPhoneと同じになっちゃうんですね?」
「そうですね」。彼女はこともなげに答えた。

 最新情報ツールを使うにはそれなりの出費を要する、ということだ。携帯機種変更計画はここで頓挫したのであった。

 とは言え、通話可能な携帯電話が必要である。愛機のバッテリーを交換してみることにした。これまでのポイントが貯まっているのと、修理補償サービスに入っているので、新バッテリーは無料だった。

 丸1日が経った。携帯電話の電源はただ一度も落ちていない。愛機にはもう少し苦労をかけることになりそうだ。


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posted by 田中龍作 at 12:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月16日

湯浅誠・派遣村々長 「貧困は広がっている」

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「仕事を奪うな」、会場にはムシロ旗も目についた。(16日、東京・明治公園。写真:筆者撮影)


 つい30年ほど前までは父ちゃんが額に汗して働けば一家を食べさせて行けた。ところが今はどうだ。骨をきしませるようにして働いても結婚できない。稼ぎがあまりにも少ないからだ。仕事もあったりなかったり。

 猛暑に見舞われた今年の夏は、お年寄りが熱中症でバタバタと命を落とした。年金生活でクーラーを回すだけの金がなかった人も多い。

 夫の暴力や借金から逃れたシングルマザーは、子供を抱えて働けど働けど生活が苦しい。

 貧困だらけの日本を象徴するかのようなフェスティバルが16日、東京・明治公園で開かれた。その名も「反貧困・世直し大集会2010」(主催:同実行委員会)。

 会場には全国41団体のテントが所狭しと並んだ。非正規労働者のユニオン、環境保護団体、居住支援団体、医療機関、反基地団体……。貧困があらゆる分野に及んでいることを示している。

 参加団体はステージにあがり活動報告をした。筆者が注目したのは岐阜県の「派遣労働者サポートセンター・結(ゆい)」だった。

 「結」は岐阜市内に常設派遣村を設けている。昨年2月に2ヶ月間の期間限定で派遣村を始めたところ、利用者があまりにも多いため常設にした。

 毎日炊き出しを行うほか、就労・居住支援、生活保護申請をする。ホームレス寸前のワーキングプアや路上に弾き出された約300人に部屋を斡旋してきた。開設して1年半余りで大変な実績である。

 300人のうちの中心世代は30〜40代。ほとんどが「派遣切り」で職と住居を同時に失った青年たちだ。

 「結」の森下満寿美・相談員によれば「岐阜市内でも最近ホームレスが目立つようになってきた」。中部地方は(トヨタがあるので)比較的元気だと言われてきたが、「最近はそうでもない」という。トヨタの生産調整により関連会社が「派遣切り・非正規切り」をするためだ。派遣切りにあった労働者が愛知から岐阜に流れてくるのだという。

 札幌市でも昨年末、ホームレスの「緊急一時保護施設」を設けたところ20代が目立ったという。

 20〜40代の働き盛りに仕事がなく、家賃も払えなくなり路上に弾き出される。国力は衰えるばかりだ。

 派遣村前村長で内閣府参与の湯浅誠氏は「政府がデータを出さないので確定的なことは言えないが、貧困が広がっていることはほぼ間違いない」と言い切った。


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2010年08月18日

熱中症で命を落とさないために


 東京都監察医務院によれば梅雨明けから今月16日までの1ヶ月間に東京23区で熱中症により死亡した人は100人に上った。うち70歳以上が83人もいた、という(各種報道より)。熱中症の犠牲者はお年寄りに集中しているようだ。

 わずか1ヶ月、それも23区だけで100人も命を落とせば立派な災害である。にもかかわらず、マスコミは「今日は○○ヶ所で猛暑日」などとまるでお役所のような報道を繰り返す。死亡者の生活を探り、熱中症から逃れる方法を伝えるべきだ。

 「生活保護を受けられなかったためにクーラ−も使えなかった」――生活保護申請が認められなかったことが原因であったりすると大きく報道する。だが、年金生活者(国民年金だけ)の場合、生活保護受給者よりも収入は低い。こうしたお年寄りはクーラーを回したりすると電気代が払えなくなるので、クーラーを使えない。灼熱地獄のなかで苦しみながら命を落としたのだろう。

 北向きで陽当りが悪く建物の構造がしっかりしていない限り、昼間はクーラーの効きがすこぶる悪い。電気代を浪費するだけだ。我が家は陽が落ちてから、やっとクーラーを始動させる。日中は体中を焼かれるようだが、夜間は体の火照りも収まる。

 自らの恥をさらすようだが、我が家はもし妻に収入がなかったらクーラ−など全く使えない。夜も熱暑に苦しめられていることは確かだ。熱中症に罹り救急搬送されているかもしれない。

 市役所・区役所やマスコミは無料で涼める所を広報すべきである。役所は老人だけでも冷房の効いた施設に分散して連れて行くことだってできるはずだ。マイクロバスでデイケア・センターに送り込むノウハウを使えばよい。

 前稿の繰り返しになるが、猛暑の日は涼める場所や施設をめざして外出した方がよい。体育館のロビー、大型スーパーなどにはベンチがあって冷房も効いている。ちなみに筆者は取材に行くのに遠回りしてできるだけ長い時間、地下鉄に乗るようにしている。
posted by 田中龍作 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 貧困 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする