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2010年04月07日

「普天間基地の県内移設反対」〜国会前で平和団体が訴え

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米軍普天間基地は住宅密集地のど真ん中にある(撮影:筆者)


 
 米軍普天間基地の移設をめぐる鳩山政権の迷走が止まらない。コロコロ変わる鳩山由紀夫首相の見解が象徴的だ―「12月までに私が責任を持ってまとめる」→「3月までに日本政府案をまとめる」→「3月までにというのは別に法的に決められているわけではない」→「腹案がある」。

 首相の言葉に振り回される沖縄県民こそいい迷惑だ。沖縄県の仲井真弘多知事は「平野官房長官が私に言っていることとマスコミの報道が違う」と政府に不信感を示したこともある。

 仲井真知事は、地元の意向に耳を傾けずに候補地を次から次にあげる鳩山政権に対して堪忍袋の尾が切れたようだ。平野官房長官との会談内容をとうとう報道陣にバラしてしまったのである。

 仲井真知事によれば政府の移設案は次のようなものだった―

 名護市キャンプシュワブの陸上部に代替施設を建設すると共に鹿児島県徳之島にヘリ部隊を暫定移転させる。その後、うるま市勝連半島のホワイトビーチ沖を埋め立てて本格基地を建設する。

 なんたる「つけ焼刃」。しかも鳩山・民主党代表(当時)が昨年夏の衆院選でブチあげた「普天間基地の国外移設、最低でも県外移設」を完全にホゴにするものだ。

 7日、冷たい雨が降るなか平和運動家や護憲団体などの50人が国会前に集結し「辺野古新基地建設を断念させるぞ」「鳩山政権は沖縄県民の声を聞け」などとシュプレヒコールを挙げた。参加者の一人は「鳩山内閣が退陣しない限り、普天間問題は収まらない」と奥歯を噛み締めた。
posted by 田中龍作 at 21:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月14日

日米首脳会議で踏み込めなかった沖縄基地問題

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「基地の県外・国外移設」などを訴えた沖縄県民大会(8日、普天間基地のある宜野湾市で。写真=筆者撮影)


 鳩山首相とオバマ大統領による日米首脳会談が13日持たれ、懸案となっている沖縄の基地問題が取り上げられたが、踏み込んだ議論とはならなかった。踏み込めなかったといった方が正確だろう。

 普天間基地の移設は沖縄の負担を軽減するためのSACO(沖縄施設・区域特別行動委員会)最終報告に盛り込まれたが、その後13年間、1ミリたりとも動かなかった。

 この間、米側はSACO合意したクリントン政権(民主党)からブッシュ政権(共和党)に変わり、世界政策を激変させた「9・11テロ」もあった。日本側は小泉政権の4年間を除けば年中行事のように首相が交代した。これほど目まぐるしく環境が変われば安全保障の根幹に関わる基地問題に本腰を入れて取り組めるわけがない。

 オバマ大統領が来日した13日夕方開かれた岡田外相の記者会見では、沖縄の基地問題に質問が集中した。外相が打ち出した「普天間と嘉手納との基地統合案」に地元が猛反発した経緯があるからだ。外相自身は15日に沖縄を訪問する。

 記者団からは「嘉手納統合案を検証し感触を得るための旅か?」など挑発的な質問も飛び出した。岡田氏は「予断を持って行くわけではない」と慎重な姿勢を示した。

 嘉手納は空軍が、普天間は海兵隊が使用する。両基地の統合は運用上、困難だといわれる。空軍と海兵隊とでは交信用電波の周波数域が違うからだ。平時ならともかく頻繁に離着陸する有事ともなれば大混乱をきたしかねない。嘉手納基地周辺の騒音被害も単純に言えば2倍となる。

 一方、米軍は「『普天間の移設』『辺野古新基地』『ガム移転』はパッケージである」(ゲーツ国防長官)との姿勢を変えない。

 普天間の移設とガム移転は、辺野古の基地建設のためには渡りに船だったと読むこともできる。沖縄本島北部には辺野古を起点として広大な海兵隊の訓練センターがある。その名も「Jungle Warfare Training Center」(写真下段)。

 強襲揚陸した海兵隊員がジャングル戦、山岳戦の訓練を実施するにはもってこいの地形だ。

 辺野古は揚陸ポイントとなる。実際10年以上も前、辺野古の浜に強襲揚陸ボートが上陸してくる現場を目撃したというジャーナリストもいる。

 総選挙で来沖した民主党の鳩山代表(当時)は、基地の県外・国外移設を訴えて支持を得た。辺野古基地の建設反対を訴えた候補者が4選挙区すべてで当選した。鳩山政権が背負う民意は、辺野古を譲りたくない米軍の戦略と真っ向から対立する。

 「沖縄基地問題は畢竟日米関係」。言い古された表現を今さらのように思い知らされる。

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「Jungle Warfare Training Center」(沖縄本島北部で。写真=筆者)

posted by 田中龍作 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月13日

東京発・沖縄報道と現地のギャップ


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名護市の人口は商店街や市役所のある西海岸に圧倒的に集中する(写真=筆者撮影)


 オバマ米大統領の来日で沖縄の基地問題が改めてクローズアップされている。テレビはNHKも民放も8日の県民大会を中心に伝えた。県民大会は日米政府が合意した「普天間基地の辺野古移設」などに反対する集会だった。

 東京からクルーを送り込んだ局は、現地取材なども加えて「特集」風に制作した。辺野古の基地計画を名護市民はどう捉えているのかをリポートした局もあった。

 沖縄北部は景気の冷え込みが厳しい。名護市の商店街は、全国の地方都市と同じようにシャッター通りと化していた。「基地が来れば、地元に金が落ちると歓迎」「事件事故や騒音が心配」…・テレビは賛否両論を伝えた。基地をめぐる賛成、反対の意見は確かに存在する。決して間違いではない。

 ところがここに落とし穴がある。市役所や商店街などがあり、人口が圧倒的に集中しているのは名護市の西海岸だ。辺野古は東海岸。両岸は山で仕切られている。

 独断と偏見で言えば大半の名護市民にとって辺野古は「別世界」だ。インタビューは対岸のそれも山向こうの問題を「山こっち」の人々に聞き、名護市民の声としてまとめられていた。表層的ではないだろうか。

 東京のテレビ局は問題を分かりやすくするため、地域振興か基地かという「鋳型」に流し込んだのだろうか。あるいはそういうものだと思い込んだのか。少なくとも地元に密着したジャーナリストだったら、こういう描き方はしないだろう。

 辺野古集落近くに住む年金生活者(60代後半・男性)は「辺野古は山で遮られているから、名護(の大半の人々)にとっては基地が来ても別に迷惑ではないのだ」と山を指差しながら話す。

 「政府(東京)にとっての沖縄」と「名護市政にとっての辺野古」は相似形だ。ここを伝えきれないのが、東京発沖縄報道の限界だ。我が戒めともしたい。
posted by 田中龍作 at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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