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2011年02月09日

【カイロ発】 仕事終え、タハリール広場へ

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市民革命のエネルギーが弾ける。筆者が投宿するホテルは前方の奥にあるのだが、人で埋め尽くされているため大きく迂回しなくては戻れなかった。(8日午後、タハリール広場。写真:筆者撮影)。


 筆者が投宿するホテルはタハリール広場から南へ約1キロの所にある。午後ともなれば広場に入ろうとする人々が長蛇の列をなし、最後尾はホテルの前に届く。

 仕事を終えた市民が広場に繰り込むのである。子供を抱いた夫婦、家族連れ、スーツ姿の男性、黒づくめの衣装で目だけ出した女性・・・エジプト中のありとあらゆる階層が広場に集い「ムバラクは去れ」「自由を」と叫ぶ。数十万人の合唱は地響きのようである。
 
 寅さんのようなテキ屋はいないが露店も並ぶ。まるで縁日の賑わいだ。独裁者に楯ついているのだが、悲壮感のかけらもない。

 広場はこうして連日、数十万人の人々で埋め尽くされる。ある男性(30代)は「軍は国民すべてを殺さない限り鎮圧できない」と力を込めた。
 
posted by 田中龍作 at 00:58| Comment(1) | TrackBack(1) | エジプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月08日

【カイロ発】 「誰も新聞・テレビを信じちゃいない」

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メディア不信を外国人に訴えるプラカード。新聞・テレビへの強い疑念も市民革命の背景にある。(8日、タハリール広場。写真:筆者撮影)


 外国人記者が出入りするタハリール広場の南入り口付近でギョッとするプラカードを目にした。「Egyptian Press Deceiving Us=エジプトのプレスは我々を騙している」。英語で書いているのは外国人記者を通じて国際社会にアピールするためだろう。

 プラカード近くにいた会計士の男性(33才)は筆者がジャーナリストと分かるや一気にまくし立てた―

 「国営テレビは政府のコントロール下にある。民間の新聞も政府の圧力でウソばっかし書く。Nobody believe Egyptian Press。誰もエジプトのメディアを信じちゃいない」。

 「インターネットはどうですか?」

 「インターネットは有用だ」

 ネット上を駆け巡る情報は確かに玉石混交である。だが、人々が自らの理性で価値判断し取捨選択すればよい。タハリール広場の蜂起は象徴的だ。

 新聞・テレビの情報に疑いを抱いていたエジプト国民は、「ネットが火をつけた市民革命」を通じて真実とは何かを声に出せるようになった。日本の新聞・テレビはそれには触れたがらない。

 記者クラブメディアに洗脳され真実を知らされない日本人は、先進国でも例のない民主主義を知らない民族となるだろう。
 
 



 
posted by 田中龍作 at 18:22| Comment(1) | TrackBack(1) | エジプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月07日

【カイロ発】「戦車にひき殺されようとも」

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体を張って戦車を止める「反ムバラク派」の民衆。前方にも人々がいる。(7日、タハリール広場。写真:筆者撮影)


 午前8時、タハリール広場。指笛の音がけたたましく鳴ると、人々は脱兎のごとく駆け出した。筆者も同じ方向に走った。広場の北西角に置かれた軍の戦車がエンジンをかけたのだった。

 「広場の中に入って来ようとしている」。一緒に駆ける青年が言った。昨夜、軍が威嚇発砲したこともあり、集会参加者は軍の動向に神経を尖らしているのだ。

 広場の中に置かれたすべての戦車の前には蜂起初日の先月25日から「反ムバラク派」の民衆がはり付いている。ビニールシートを敷き毛布にくるまって夜を明かすのである。

 人々は駆けつけるや手拍子と共にシャンテをあげ始めた。「軍と国民はひとつの手の中にある。軍も国民もエジプト人だ・・・」。カーニバルのような活気だが悲壮感も混じる。

 戦車のキャタピラーに背中を置いている塗装工の青年に聞いた。「恐くないか?」
「恐くない。死ぬ前に戦車の前を去れない。自由のために死ぬ・・・」。

 車上の兵士が仲間の兵士とモゴモゴと耳打ちを繰り返した。指揮所からの指示を伝えているのだろう。戦車はそれから10分後にエンジンを止めた。

 天安門事件のように軍の戦車が民衆に向かって突っ込まないことを祈るのみだ。

 
posted by 田中龍作 at 17:41| Comment(1) | TrackBack(0) | エジプト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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