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2011年04月18日

   「東電情報隠し」の裏で進行する放射能汚染 〜その10〜

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勝俣会長・記者会見。フリーランス記者の質問はすぐに打ち切られる一方で特定の大新聞社が質問を繰り返した。 (17日、東京電力本店。写真:筆者撮影)


 あまりにお粗末な話なので、記事にすること自体憚られた。だが「出来レース」という他ない東京電力と記者クラブメディアの質疑応答の実態を記事という形で残しておかねばならないと思い筆をとった。

 不自然なのは指名される記者の3分の一が甲新聞社ということだ。大新聞、テレビ局、雑誌など数十社と10人を超すフリーランスの記者が出席するなかで、甲社が指名される確率は異常に高い。

 会見席に数多くの記者を送り込めば指名される確率は高くなるが、指名のされ方が不自然なのである。

 17日の記者会見で筆者が勝俣恒久会長にぶつけた質問は、鈴木広報部長により途中で打ち切られたのだが、後を継いだのは甲社の記者だった。「自分の質問に積み残しがあった」という理由からだ。

 その記者が「積み残し」と言って挙手すると鈴木広報部長は「はい、質問の積み残しですね」と呼応した。甲社と東電広報との間で打ち合わせが出来ているような印象だった。

 さらに不自然なのが民放への対応だ。乙テレビの記者が「帰れるまで何年かかるのか?」と尋ねた。この日の記者会見でこの質問はすでに出ているのだ。

 以前にも乙テレビ記者の質問に対して松本・立地本部長代理があまりにもスラスラ答えるので、筆者は「事前通告を受けているのか?」と尋ねたことがある。
乙テレビの記者が質問すると松本本部長代理はすぐにメモに目を落とすのである。メモを読む目は左から右に規則正しく往復していた。松本本部長代理は否定するのだが。

 東京電力は事故の収束に向けた工程表を公表した。6〜9か月で海や大気に撒き散らしている放射性物質を閉じ込めるとしている。

 作業はひとつひとつ段階を踏んでいく。その都度、外部の厳しいチェックが必要だ。東電「事故隠し」「データ改ざん」の名手だからである。
 
 だが記者会見のありようを見る限りチェックは期待できない。天下りを受け入れてもらっていることもあって政府も東電をコントロールできない。

 案の上、東電が「工程表」の裏付け資料を政府に提出していなかったことが明らかになった。

 東電、政府、記者クラブメディアによるズブズブの構図が続く限り、将来もっと大きな大事故が起きると筆者は見ている。放射能汚染も止まらないだろう。

    
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posted by 田中龍作 at 10:48| Comment(1) | TrackBack(1) | 災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月16日

「原発止めろ、菅を止めろ」市民デモ

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自家製のプラカードを手にデモに参加する家族連れ。(16日、原宿駅前。写真:筆者撮影)


 東電福島原発事故処理の不手際を国会でも追及された菅首相。その後も原発に関する無知蒙昧ぶりをさらけ出し国民を唖然とさせている。

 “このままでは菅首相と共に日本は沈没する” 危機感を抱いた市民が16日、渋谷でデモを行った。福島原発事故で首相の責任を問う大がかりな抗議行動はこれが初めてだ。

 埼玉県久喜市から参加した男性(60代・年金生活者)は『原発のない郷土を子供たちに』のプラカードを持つ。裏返すと『菅総理も原発もいらない』。

 男性は「汚れた郷土を子供たちに残してはならない。欲の皮がもたらす価値観を変えなければならない」と語った。菅首相の権力欲が今回の事故をここまで大きくしたことを怒っているのだ。

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原発反対」と「菅退陣」を求めるデモ隊は長蛇の列となった。500〜600人が参加した。(16日、原宿駅前:筆者撮影)


 震災のドサクサに紛れて『復興税』『消費税増税』を打ち出す菅政権に抗議する男性(50代・神奈川県在住)も参加した。男性は「増税より先にやることがあるだろう」と語気を強めた。行政の無駄使い削減などをウヤムヤにしょうという菅内閣の姿勢に我慢がならない様子だった。

 『地震国・日本に原発はいらない』のプラカードを掲げる女性(60代)はかつて柏崎に住んでいたことがある。女性は「子供を守らなきゃ」と話す。

 「原発止めろ、菅を止めろ」「原発事故は菅直人の人災だ」・・・シュプレヒコールが渋谷の街に響いた。

 『反原発デモ』は全国各地に広がっており、今週末は東京、大阪、福岡、新潟などで催される。


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posted by 田中龍作 at 17:11| Comment(1) | TrackBack(1) | 災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月15日

原発事故 密室で進む補償の枠組み

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原子力損害賠償紛争審査会。福島県出身女性の猛抗議が実り筆者は撮影できた。(15日、文部科学省。写真:筆者撮影)


 チェルノブイリと並び世界原子力史上最悪となった東京電力・福島原発事故。農漁業はじめ住民生活への損害賠償の補償金は数兆円にも上る可能性がある。

 補償の枠組みを決める原子力損害賠償紛争審査会の第1回会合が15日、開かれた。大方の予想通り密室でコソコソと進められていた。

 まず委員10人の人選は誰がいつ、いかなる理由で決めたのか分からない。中には御用学者と言われるセンセイもいる。

 事務局は文科省が務める。文科省は「エコでクリーンな原発」を呼びかけるポスターコンクールを開き小学生を洗脳していた役所である。

 「紛争審査会が15日に開かれる」と告知されたのが2日前のことだ。しかも傍聴席は50席しかない。筆者は同日開かれた枝野官房長官の記者会見で「こんな大事なことを密室で決めるのか?」と質した。

 枝野官房長官は「被災者のためにも早く開かなければならなかった。開催の直接の権限は文部省が持つ」と説明した。

 傍聴席は記者クラブが中心を占め、次に証券会社、ファイナンス会社、東電などが並んだ。たまたま抽選にあたった善良な市民は極々わずかだ。

 証券会社が出席しているのは、どれだけの補償を東電が負うかによって株価に影響するためだ。ファイナンス会社には米ハゲタカも含まれていると指摘する元政府関係者もいる。東電の死臭を嗅ぎつけているのだろうか。

 そこには被災者の生活再建を考える視点はない。事故原因がそうであったが、補償もまたカネ儲けが最優先だ。

 紛争審査会の会場となった文部科学省のロビーでは福島県出身の女性が「福島県民を傍聴させないのはおかしい」として抗議し、一時騒然となった。

 
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posted by 田中龍作 at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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